熟れる
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文章R18,ジラセラ,時系列③
そっと蓋をする
「……失礼します。今夜の報告書を――」ノックをしてから扉を開けたセラは、そこで思わず息を呑んだ。灯りの落とされた私室の奥。書きかけの書類が机の上に散らばる中、ジランドは背凭れに身を預けたまま、静かに目を閉じていた。額の髪がわずかに乱れ、片手…
文章ジラセラ,時系列①
世界の片隅
灯りを落とした私室には、低く唸る船の稼働音と、空調の微かな吐息だけが響いていた。 夜のジルニトラは、今日も静かに大海を漂い続けている。ソファの上、セラは夜着姿で毛布に包まれたまま、ジランドの隣にもたれかかっていた。 読書をしていたはずの…
文章ジラセラ,時系列③
静かに火を灯す
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文章R18,ジラセラ,時系列②
呑まれていく夜
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文章R18,ジラセラ,時系列①
不意の距離
セラがジランドの補佐となり、2旬——十数日——ほど経った頃。執務室の奥、書類棚の前。 報告書の確認を頼まれたセラは、背伸びしながら上段のファイルに指先を伸ばしていた。「……届かない……」小さくつぶやいたその声に、すぐ後ろから低い声が落ちた…
文章ジラセラ,時系列①
満ちる、ということ
どれほどの時間が経ったのか、わからない。熱に浮かされるような感覚のなかで、それでも私は、はっきりと「この人の腕の中にいる」ことだけを理解していた。彼が、私を見つめている。その目に映るのは、部下としての私ではなく――今だけは、ただ一人の“女性…
文章ジラセラ,時系列③
触れられないまま、触れていたい
いつもの空気とは少しだけ違う、朝の静寂。すでに目を覚ましていたジランドは、 隣で眠るセラの方へ、ゆっくりと視線を落としていた。彼の肩に、柔らかな重みがある。――ゆるくウェーブのかかったブロンドの髪が、そっと彼の胸元に流れていた。その髪の合…
文章ジラセラ,時系列③
躓いた先
日がまだ高い昼下がりの執務室。セラが進捗報告を終え、退室しようとしたその時だった。「では、失礼――」手にしていた資料をジランドに渡し、くるりと振り向いたセラの足が、 ふと、カーペットの縁に引っかかった。「あっ……!?」バランスを崩し、今し…
文章ジラセラ,時系列①